現 代 の 蛮 行 (猫) -2-
頭蓋骨に穴をあけられたネコたち。動けない子ネコのそばに心配そうに寄り添う母ネコ
カリフォルニア州スタンフォード大学のウィリアム・デメント博士は、 動物実験の伝統に忠実だった。 博士は不眠症の治療法を見つけるためにネコを不眠症にしようと したのだが、その計画は半分しかうまくいかなかった。 博士は300匹以上のネコを新手の拷問で何ヶ月も眠らせずにおく ことには成功したが、不眠症の治療法は結局わからなかったのだ。 彼は各々のネコの脳に電極を埋め込み、 水で囲ったレンガの上に置いた。 ネコは疲労に負けて顔をうつむけるたびに鼻を水に突っ込み 驚いて目を覚ます。70日間の不眠の末、このネコの脳波は 「顕著な性格変化」・・・実験者と同じく精神のバランスを失ったことを 意味する科学的隠語・・・を示したのだった。 |
脳手術直後のネコ。明らかに水頭症を起こしていた。
このような発作を起こしている間に、右側の皮質が除去された。
このクレオパトラという名のネコは、
8月4日に最初の手術を受けてから翌年の3月18日に屠殺されるまで生きていた。
イリノイ州のH・ノイマン社製造の脳定位固定装置にかけられた雄ネコ。
ニューヨーク自然史博物館の研究室で。このネコは両方の眼球を摘出され、
頭を固定装置で締め付けられ、さらに陰茎の神経をむき出しにされて、
実験者自身の公式な記録によれば「終末」(すなわち動物の死)に至るまで
連続した電気ショックを加えられた。
標準的な実験のひとつ、ネコの大脳摘除。
その結果生じる「除脳性硬直」は実験者を魅了し続けている。