現 代 の 蛮 行 (猿) -3-
アフリカで捕獲されたキイロヒヒ「デビー」。1984年、カナダの西オンタリオ大学で。
下腹部に見える3本の管はそれぞれ静脈、動脈、小腸の上部につながっている。
デビーはこの状態で数ヶ月間イスにに固定されたままになっていた。
人間の血液中のコレステロールと動脈硬化の関連を調べるのが目的だったが、
サルと人間の栄養学的、解剖学的、生物学的差異は無視されていた。
ライフフォースという組織が、彼女の拷問係バーナード・W・ウルフ氏とウィリアム・ラブリー氏を
動物虐待で訴えた。そのとき彼らは、
デビーは「心地よい」状態におかれていたと主張、再び精神的欠陥をさらけ出した。
デビーは口こそ聞かないが、白衣の男達が部屋に入ってくるたびに両手で顔を覆ったものだ。
殺人狂のいけにえ。
「苦痛が攻撃性に及ぼす影響」の研究として行われた実験。
2頭の温和なサルが電気ショックの拷問を受け、この種の実験を行うのと同種の殺人衝動をかき立てられ、
殺しあいをしようとしているところ。
アトランタのヤーキーズ霊長類センターのこの実験には米国民の税金が使われた。
手術台に縛り付けられるサル
実験用のサルの供給地はアジア、アフリカ、南米だ。
まず大きな網でサルを追い、つぎに子ザルを抱いたメスザルを樹から射ち殺す。
子ザルは死にかけた母ザルにしがみついているからいとも簡単につかまってしまう。
せまいオリにつめ込まれて欧米の実験施設へ送られる長旅の途中、
恐怖、外傷、精神的な苦しみなどのため75%ものサルが死ぬことがある。
毎年、米国の実験施設に送られてくる生きたサルはおよそ8万5千頭だが、
捕獲時や輸送中に死ぬサルは40万頭から50万頭を下らない。
このため数種のサル、なかでもチンパンジーは絶滅の危機に瀕している。