世界医療産業の犯罪 抜粋 −6−
医者がプロとしての技術を学習し始めるのは、 医学校を終えて患者との実際の接触が始まった時点である。 それと同時に、生涯ずっと続く事になる薬理学の勉強も始まる。 この時、医者への薬理学教育を施すのが、薬品会社のセールスマン、 そして洪水のごとく送り届けられるパンフレットなのである。 |
セールスマンは金ペンやカモ猟への招待といったプレゼントを携えて 医者を定期的に訪問し、新薬のサンプルを山のように置いてゆく。 そしてその代償として、新薬を患者に試してみた結果のリポートを 要求するのである。これを見ても、 実験室内でのテストが何の意味も持っていないという点は明白であろう。 |
若い医者は、医学校の教師から医学教育を施されるのではない。 教師たちの知識ときては、何年も昔の古いものなのである。 彼らを教育するのは製薬会社の強引なセールスマン連中である。 ところが製薬会社の目指すところは人々の健康ではない―― 世の中が健康な人ばかりになれば薬品工業はつぶれてしまうではないか ―― 目標は会社の利益の増大につきる。 |
薬に添付されてくる説明書を読んだ医者は、 それが人間の病気に関する専門家によって書かれたものだと思うだろう。 ところが実際には、病人などまったく診たこともない 動物学的知識しか持たない人間によって、書かれているのである。 この事実を知っている医者はほとんどいないだろう。 |
(アカゲザルは穏やかで信頼がおける動物として、実験動物として重宝される) 実験施設へ送られるサルたちは、檻にぎっしり積み込まれたままの状態で 激しく泣き叫ぶ。そのため喉が腫れ上がり呼吸ができなくなる。 インドネシアから発送された625匹のうち、恐怖の空の旅を耐え抜いて、 生きてスウェーデンに着いたのはたった140匹だけだった・・・。 アムステルダム空港でサルの輸送風景を目撃したホーン氏のコメント。 |
「9月8日、インドネシア、ジャカルタからスウェーデン、ストックホルムへ 送られる数百匹のサル(ジャワ産、アカゲザル)が、乗り継ぎのため、 アムステルダム空港で数時間待たされていた・・・・ 取り締まり官が檻のうちふたつをあけるよう命じた。 一つの檻には15匹のアカゲザルが入っていたが、殆ど全てが怪我をしていた。 もう一つの檻には11匹いたが、そのうち7匹はすでに死んでいた。 これらのサルの死因は明らかに空気不足で、眼球はとび出し、 舌は自分で噛みちぎったものらしかった。取り締まり官は灯りをかかげて、 他の檻も検査したが、次々に死んだサル、怪我をしたサルが発見された。」 |