私がこのようなサイトを作るきっかけとなったのは、

      動物実験のページで紹介している、“現代の蛮行/ハンス・リューシュ” という本です。 

      友人が偶然図書館でこの本を見つけ、動物好きの私に教えてくれました。

      私の中での動物実験のイメージとは、ニュースなどで時々ちらっと映る、

      ケージの中の真っ白なラット (まだ痛めつけられていない状態のきれいな) くらいでした。

      そんな私にとって、“現代の蛮行” を開き、一番最初に見た写真

      ― 数匹のサルたちが、拘束器に縛りつけられている写真 ―

      は衝撃的でした。言いようのないものすごい恐怖を感じたのです。

      そして私にはそれ以降の写真を見る勇気はありませんでした。

      友人に写真の部分を隠してもらい、写真の解説文だけを読み始めましたが、

      それでも、ひとつ読んでは泣き、もうひとつ読んで泣き崩れ・・・

      そんな調子で、私は結局はじめのほうの解説文を少し目にしただけで、

      この本を閉じてしまったのです。

      動物好きと言いながら、今まできれいなかわいらしい動物ばかりを見て、

      幸せな気分でいた私にとって、とにかくこの本は衝撃的でした。

      なんというか、言いようのない、ものすごく恐ろしいことが私の知らないところで起こっている、

      たいていの人が気付いていない、暗くて恐ろしい裏の世界を見たような気がしました。

 

   

 

      私はそれから、毎日とても暗い気分でした。

     何の事実も知らずに楽しそうに過ごしている周りの人たちが、うらやましく思えたくらいです。

     でも私は思いました。こうしている今も動物たちはひどい状態で実験材料となり、

     想像を絶するような苦痛に耐えている。

     とにかく、この事実を知った以上、今すぐにでも何かをしなければならない、そう思ったのです。

     私はインターネットで日本、海外の様々な動物実験に関するサイトを探したり、、

     図書館から関連本をたくさん借りたりして、動物実験について調べまくりました。

     そして同時に、人間の食料のために屠殺される動物たち、毛皮のために殺される動物たち

     についての残虐な現状を知ることもできたのです。

     私はとりあえず、これらのことを一人でも多くの人に知らせたいと願い、

     このサイトの製作にとりかかりました。

 

   

 

     私ははじめ、残虐な写真の掲載はためらっていました。

     しかし、そんな姿にさせられた動物たちにとって、誰にも知られることなく、

     ただただ苦しんで死んでゆく・・・というのはあんまりではないか、と思ったのです。

     直接実験者、関係者等ではないにしろ、殆どの人々が生活の中で、

     このような動物虐待の上に作られたものを消費している以上、

     すべての人間がこの事実を知らなければならないと思いました。

     私たち人間の手によってこの残虐行為を終わらせる以外に方法はないのです。

     それまで、人間の力には到底及ばない動物たちは、痛めつけられるままです。

 

次のエッセイへ